百貨店

正月休み最後の日、新宿伊勢丹に行ってきた。

近くに用があってそのついでに寄ったのだけど、寄ったというより「引き込まれた」感じだ。

1階には靴や財布コーナーがあり、そこで小一時間ほど品物を見て回る。

ここのところ、百貨店閉店のニュースが相次ぐ。ネット通販におされ、業態の変化を余儀なくされているとネットニュースでは解説されている。

しかしそれは一体どこの話だろうかと思うほど、店内は人でごった返していた。特段、セールをしている様子はない。

持論だが、買った後のメンテナンスが必要な革製品や、サイズが重要な装飾品などは通販ではなく実店舗で買うべきなのだろう。店舗で実物を見てネットで買うというのもアリだろうし、自分もそうすることがあるけれど、振り返ってみると、どこで買っても同じものはネット通販で買うことが多い。

ただ、そういう話は置いといて、百貨店の持つ独特の雰囲気、優雅さ、そして店員の洗練された接客に触れてみたいがために自分は百貨店に時々足を運ぶ。もし何も買わなかったとしても、行っただけで何かこう、心が豊かになったような気になるから不思議だ。

根拠は全然ないのだけど、百貨店にしょっちゅう通っていたらお金持ちになれるんじゃないかと、そんな気がしてきた。

その意味するところはいずれまた。

一年の計

2017年が始まった。

一年の計を元旦にやってみようと毎年思うものの、これまではかけ声だけで終わった。「今年こそは!」の気持ちで、元日の夜8時過ぎにPCを開く。

2017年の話の前に、まずは昨年を振り返ってみる。

「2016年にがんばったこと」を考えたみたのだが、見事なくらいきれいサッパリ何も思い浮かばない。反省ならてんこ盛り思い付くのだけど、がんばったと胸を張って言えることが何もない自分に呆れる。

強いて言うなら。。。いや、強いて言ってもやっぱり何も出てこない(汗)。

2016年の概況を一言で言うなら、「試練」。コレに尽きる。

売上が急減し、ここ数年来感じたことがない大きなプレッシャーとの闘いだった。

そして考えた結果、持っているいくつかを手放すことにし、身軽になったためか精神的に楽になり、比例して売上も徐々に回復している。精神的に楽になったから売上が回復したのか、売上が上昇しつつあるから気持ちが楽になったのか、そこのところはよく分からない。

ここまでが2016年。


そして始まった2017年、自分は何をしたいか、何をするべきか、約30分間考えてみた。


1. 仲間を増やす

2. 「書く」ということに真剣に取り組む

3. 収益の柱を一つ増やす


ノートにはもっと書き連ねたのだけれど、結局のところ上記3点に集約される。どの要素も重要なので順番は付けられない。

唐突だが、「根性」という言葉が好きだ。これは自分が獅子座だからかもしれないけれど、何でも自分で抱え込んでやってしまう傾向がある。がんばれば何とかなると、根拠もなく考えがちだ。しかし、こんなことは幻想に過ぎず、自分の無能さを認めたくないだけで、現実から目を背けていると何年か前に気づいた。今年こそは仲間を見つけ、若干「他力本願」をモットーにしようと思う。

書くということについては、「あなたも作家になろう!」とか文章の書き方指南のような啓発書の類を何冊か買ったほど関心がある。「自分は文章を書くことが好きだ」ということは、数少ない自分で分かっている自己の欲求の一つである。今年は、文章を書くということに真剣に取り組む。手段はこのブログが中心になるだろけど、同時に短編小説を一本完成させたい。

「収益の柱」。これも重要課題だ。現在は輸出一本で生活しているのだが、為替に左右されやすく、かつ競合も増えてきたことから、柱をもう一本増やしたいと考えている。全然別の新しい何かを見つけるのも大変なのに、しかも家計が助かるレベルまでとなると至難の技。しかし、いま持っている資源=海外向け物販と、2020年の東京オリンピックを絡めることでその「何か」は見つかるかもしれないと考えている。

そんなわけで、前回のブログでも書いたかもしれないけれど、遠くの何かを追い求めるのではなく、あくまでいま自分が持っているものを大切にしつつ、ちょっとだけ行動範囲を広げ、持っているものを組み合わせて新しい何かを生み出したい。

以上が2017年元旦における「一年の計」だ。

今年もよろしくお願いします。

いま持っているものに感謝する

昨日は午後からずっと打ち合わせが続いた。

前半は関西のクライアントと今後の販売計画について2時間ほど話をする。

これまで売れていた商品が売れなくなり、営業目標を達成するために商材を切り替え、競合の少ない分野で売上を上げていく方向で話がまとまった。

候補の商材をお互いMaBook AirでeBay、Amazon.comで競合価格を調べながら、下代を計算して勝てる商品かどうかを見極めていくという作業を黙々と行う。

こうして実際に会って話をすることで、売上が回復するメドが立ってきたように感じるから不思議だ。心の中にあった漬物石くらいの重さが、片手でなんとか持ち上げられそうな重さにまで軽くなったような気がする。

 *

夕方からの2時間は、5年ほどの付き合いのある友人と数ヶ月ぶりに会って話をした。

実はいま、私は自分の今後の仕事について何を目指していけばいいのか非常に迷っている。

人生の最終目的・目標はすでに決まっているのだけれど、それを開始するのは10年ほど先であり、いまはそれとは全く関係のない仕事をしている。

そこで、同じ年代の人の話を聞くことで何かきっかけが得られないかと、きのう話をした次第だ。同じ40代半ばの同じ男子が、一体どんな将来を見据えていまを生きているのか、とても興味がある。

ナイスガイのその彼は、長年続けている自分メディアに行き詰まりを感じているようで、私自身も同じように海外向けのメディアを持っており、彼の話は自分の経験とも重なって共感できるものだった。

自分もそうだが、何年続けてもパッとしないことがひどくもどかしく感じられ、つい「仲間がいない」、「資金がない」など、無いものに執着しがちである。

が、よく考えてみると、それでも長く寄り添ってくれた仲間が全くいなかったわけではなく、ともかく続けてこられたのはこうした身近にいる人のサポートがあったからこそ、と気づく。

だから、遠くの何かを探すより、まず近くの人を大事にしなければ、という話をお互いにした。

そしてまた、似た者同士(?)、今後協力関係を結んで一緒に何かしていこうという話も出たけれど、半端者同士がくっ付いても相乗効果は得られないだろうし、似通っているからこそコラボしない方がイイのでは?ということに結局なった。


 *

この日の二つの打ち合わせで、霧がかかっていた道がうっすらと見えるようになった気がした。

何か迷っているのなら、頭で考えるだけではなく、こうして信頼できる人と会って話をするということは大事だなとあらためて感じる。自分はほとんど人に意見を求めない方なので、「相談」という行為は新鮮だ。

無いものを得ようとするのではなく、いま自分が持っているものに感謝し、それまでの行動を変えることで新しい展開が見えてくるんだなと、そう痛感したある土曜日の午後だった。

自販機

朝5時頃だったろうか。娘がセットした目覚ましがけたたましく鳴り響き、目が覚める。

いつもは6時頃に鳴るのだが、今朝は1時間も前倒しで驚く。学校で何かあるのかな?

ちなみに、私自身はこれまで目覚ましをセットしたという記憶がなく、朝は強い方だ。この日も、目覚ましをセットした張本人より早く起き出し、手早く身支度を整えて事務所に向かった。

玄関から外に出た瞬間、ヒンヤリした空気を感じる。半袖では肌寒いくらいで、もう夏も終わりなんだなとぼんやり思った。

いつもの通勤ルート、途中自販機で缶コーヒーを買う。

缶ジュースがワンコインで買えなくなって随分経つが、ただ時々100円で買える自販機があり、そういう自販機を探すことがクセになってしまった。

と言いつつ、この日はいつも買っている100円缶コーヒーではなく、10円奮発して別の自販機で違う種類のコーヒーを買ったのだけど。

早朝からゴミを出す人の姿が目立つ。今日は水曜日で燃えるゴミの日だったっけ。

事務所のゴミも捨てようと、袋の中を見るとゴミの量はまだ半分ほど。ゴミはこまめに処分した方が気持ちイイし、運気も良くなるんじゃないかと思ったものの、やはり次の収集日まで待つことにした。袋も無料ではないので。

缶コーヒーと言い、つくづく自分は小さい人間だなと思う。

 *

前回の「今朝の出来事」というブログ記事について、田口ランディさんご本人からコメントを頂いた。

この作文は記憶を確かめるために出したの。文章は100%記憶で出来てる。記憶しているものしか書けない。だから「記憶を潜在意識から引っ張り出す」訓練が必要なの。しかも視覚化してね。

ということで、田口さんが数年前の文章講座で参加者に「今朝の出来事を書いてみて」と言ったのは、文章上達のためというより、記憶を正確に引き出す訓練のためのようだ(正確な記憶の引き出しが、結果的に文章力上達につながるのだろう)。

田口さん、ありがとうございました☆

今朝の出来事 x 田口ランディさん x コンビニの店員?

 3年ほど前に、作家の田口ランディさんによる文章講座に参加したときのこと。その中で彼女は「今朝の出来事というテーマで文章を書いてみてください」と言い、参加者それぞれが書いた後、一人ひとり声に出して文章を発表するというワークがあった。

 あれから3年。。。

 プロの作家がそうさせるくらいなので、「今朝の出来事」を文字に起こす作業はきっと文章上達の訓練になるに違いないと思いつつ、そこから自分は何もせずに今日に至る。

 私は文章を書く事が好きで、作家になりたい。いや、なる。

 随分時間を無駄にしたけれど、作家になるという目的のために「今朝の出来事」というテーマでこれから書いてみることにする。

 もう何年も前になるけれど、毎日メールマガジンを書いていた。365日一日も休まず書いた。が、それも1年ちょっとで力尽き、「何かを継続する」という点では挫折を味わっている。このはてなブログも、なんと5年ぶりの更新だと知り、腰を抜かした。

「継続は力なり」という言葉は偉大だ。継続しつつ、さらにそこに変化が伴っていればもっと良いだろう。

 *

 あらためて、今朝の出来事。

 朝4時に目が覚める。猫がミャーミャーとうるさい。どういうわけか、毎朝このくらいの時間になると猫が起き出して徘徊をはじめ、鳴き出すのでこちらも目が覚めてしまう。

 いや、猫のせいにしてはいけない。

 朝早く目が覚める原因は実はよく分かっている。先月から会社の売上が芳しくなく、仕事のことが気になって熟睡できずにいる。夜中でも注文が入ってないか、つい何度もスマホをチェックしてしまうのだ。

 そんなわけで、4時頃目が覚めたものの、そこからまたウダウダと仕事のことを考え続け、6時頃布団を畳んだ。

 朝食は、基本的に食べない。

 この日も起きて顔を洗ってすぐ事務所に向かった。自宅から事務所まで歩いて10分かからないので大変楽である。

 事務所に入る前に、コンビニ(セブン・イレブン)に寄ってアイスコーヒーのMサイズを買うのがもっぱらの習慣である。

 コンビニは、事務所を通り過ぎた所にしかないので、そこが唯一不満である。買ってまた戻るというのは、かなり抵抗がある。

 この行きつけのコンビニ、ひとり大変優秀な店員がいる。昼は見かけないので、夜勤専門なのだろう。

 まず、客と会話ができるという点で素晴らしい。決まりきった受け答えだけではなく、客が話しかけて来たら話に合わせられるという素晴らしい能力を持っている。

 このように彼はコミュニケーション能力がとても高く、かつ動きも機敏で、このコンビニのオーナーは彼がいてくれて大いに助かっているはずだ。

 いつか、思い切って声をかけて個人的に飲みながら彼と話をしてみたいと思っている。

胸に響いた吉川晃司さんの言葉アレコレ。

東京では、TOKYO HEADLINEというフリーペーパーが手に入る。飲食店やコンビニの前にラックが置かれ、自由に持って行けるようになっている。

私の記憶では、もう10年近く発行が続いているフリーペーパーで、廃刊されるフリーペーパーが多い中、このジャンルではおそらく一番成功している媒体だろうと推測する。

さて、4月25日付けのTOKYO HEADLINEにて、ミュージシャンの吉川晃司さんが、興味深いことを話していた。

内容は、今回の大震災にちなんだもので、よく使いがちなかけ声(?)について疑問を投げかけていた。

この話は自分が出しているメールマガジンでも紹介したけれど、このブログでも少し触れることにする。

たとえば「がんばれ」という言葉について。

おそらく震災後、利用率が急上昇している日本語だと思われるが(苦笑)、吉川さんによると、この言葉は同じ境遇にある人間同士が使うべき言葉であって、自戒も込めて
「まずは(被災していない)自分たちががんばるできなのではないか」と語っている。

深い傷を負った人間に対して、傷を免れた人間が「がんばれ」というのはチョット違う、ということだ。

また、「ひとつになろう!」という言葉も震災後によく耳にするようになったが、ここでも吉川さんは次のように話している。

「“手をつなごう”“ひとつになろう”という言葉があふれているけど、その前に我々一人ひとりが自分を見つめて、自意識のレベルアップを図らなきゃいけないんじゃないか。…(中略)…情報や知識を疑問なく受け入れられなくなってしまった中で、それでも批判を恐れずに自分の“ものさし”を作らなきゃいけないということ」。


極端な言い方をすれば、未熟な者同士がいくら一つになったところで、大きな力にはならない、ということかもしれない。

ということで、普段から言葉を選び、そしてとにかく自分のレベルを上げなければと、そんなことを吉川さんの文章を読んで思った。


出典:2011年4月25日付 TOKYO HEADLINE 3面 『エッジ・オブ・ハート』

アフリカ・ザンジバルの革命家、島岡強さんにお会いして。

先日の日曜日、ふと思い立ってテレビをつけたら、「グレートジャパニーズ」という番組が放送されていた。海外で活躍する日本人の姿を紹介する番組のようだ。

で、しばらく見ていたらエジプトを拠点にプロのベリーダンサーとして生きる木村カスミさんの話があって、その後、タンザニアザンジバルで「革命家」として活躍する島岡強さんの紹介が続けてされた。

番組によると、島岡さんは奥様とこの地にもう20年以上住んでいらっしゃって、タンザニアの経済発展に尽力されている。

具体的には、船を何隻も購入し、乗組員を雇って漁業を軌道に乗せたり、貿易の仕事(現地で作られたコーヒーの販売など)や、このところ日本でも人気が高まっているティンガ・ティンガの絵を日本に販売するお仕事(画商)もされている。

つまり、現地の人たちに仕事を与え、彼らが自活できるように、ひいてはアフリカの国々が援助に頼らず自分たちで生きていけるように道を拓くのが、島岡さんのおっしゃる「革命」という意味らしい。

こうした活動を、島岡さんはゼロから始めたのだった。

番組内容についてはまだまだ書きたいことが山ほどあるのだけれど、それは次回に譲ることにして、今日はその島岡さんにお会いした時のことを書いてみたいと思う。

そう、ともかくこの番組を見終わって大変な衝撃を受けた私は、早速島岡さんのことをネットで調べてみた。

すると、現在横浜で「ティンガティンガ原画展2011」という催しが開催されており、なんと島岡さん夫妻も来日されている様子。

これは「天からのチャンス!」と思い、早速きのう横浜まで出掛けていったのだった。



印象に残った一枚。タンザニアの歯医者はコワイところらしい(笑)。


展覧会ではまず、ご夫妻と一緒に来日していた画家のムスターファさんとしばらく話をした。

才能豊かな絵描きさんのようで、実際に話してみてもナイスガイだった。

奥様の島岡由美子さんは、「我が志、アフリカにあり」という本を2003年に出版されている。

原画展でも積極的に接客をされていて、実際にお話ししてみると、というか遠くから見ても、まるで女神のような雰囲気の素敵な方だった。

一方の島岡強さんは、もう一見して「闘う男!」という雰囲気を漂わせており、それまでの険しい人生が表情からうかがい知れるよう(実際の島岡さんご夫妻は、コチラから見ることができます)。

突然押しかけたにも関わらず、島岡さんは私のために時間を取って下さり、膝詰めで話をした。

自分もいま会社の運営をしていること、人生の最終目標をアフリカの地で生きることに置いていること、悩んだり迷ったときはどうすべきかなど、とめどなく話したのだけど、島岡さんは私の話を黙って聞いて下さった。

印象に残ったのは、島岡さん自身、これまでザンジバルで手がけてきた仕事は基本的にどれも「依頼されたことがきっかけ」であり、漁業にしても画商にしても相談を持ち込まれて、「何とかしてあげたい」という気持ちからその仕事に関わっていったということ。


私「そうすると、人から頼み事をされるような『人徳』『人間的魅力』が大事ということですよね?」

島岡さん「そうだね。でも、それ以上に大事なのは『きっちり形にすること』」


そう、頼まれて引き受けたからには必ず成功させる。この実行力が必須だという話だった。

また、


私「これらのことを全部自分でされたのですか? 色んなことを一度に動かすのは大変な気がしますが。。。」

島岡さん「もちろん自分でやったよ。やったから今に至るわけで。知識や免許もないけど、そんなことは実際にやってみればなんとかなる」。

私「先ほどの『必ず形にする』話といい、島岡さんはスーパーマンみたいですね」。

島岡さん「ある意味スーパーマンじゃなきゃ、アフリカではやっていけないよ」。


そして最後に一番聞きたかった質問をぶつけてみた。


私「島岡さんは、悩んだり迷ったりすることはありませんか? そういう時は人に相談されるのですか?」

島岡さん「う〜ん、天の声を聞くかな。あとは、ともかく現地の人間のことだけ考えている。仕事を与えて彼らをいかに食べさせていくか。そこだけ考えれば自然に答えが見えてくる。他人に相談することはないなぁ」

私「というか、そもそも島岡さんは迷ったりすることってあるんですか?」

島岡さん「あ、そう言われればないかもね(笑)」


 *

個人的には、『きっちり形にすること』という話が特に心に響いた。

人から頼み事をされるような魅力的な人間であり、なおかつそれを形にできること。

これは分野を問わず、ビジネスマンすべてに必要な素養ではあるまいか。



「偶然は偶然でない」。


再び立ち上がって前進できそうなきっかけを掴むとき、私はいつもこの言葉を思い出す。

島岡さんのことをテレビで知り、そしてその二日後に実際にお会いできたことはきっと偶然ではない。

展覧会まであれほど重かった足取りが、会場を後にする頃には軽くなっていた私であった。



テレビで紹介されていたタンザニアのコーヒー。この日お土産として購入。パッケージが美しすぎる!


P.S.原画展はこの後、名古屋、大阪でも開催されるようです。お近くの方は是非!
「ティンガティンガ原画展2011〜第4回名古屋展」