胸に響いた吉川晃司さんの言葉アレコレ。

東京では、TOKYO HEADLINEというフリーペーパーが手に入る。飲食店やコンビニの前にラックが置かれ、自由に持って行けるようになっている。

私の記憶では、もう10年近く発行が続いているフリーペーパーで、廃刊されるフリーペーパーが多い中、このジャンルではおそらく一番成功している媒体だろうと推測する。

さて、4月25日付けのTOKYO HEADLINEにて、ミュージシャンの吉川晃司さんが、興味深いことを話していた。

内容は、今回の大震災にちなんだもので、よく使いがちなかけ声(?)について疑問を投げかけていた。

この話は自分が出しているメールマガジンでも紹介したけれど、このブログでも少し触れることにする。

たとえば「がんばれ」という言葉について。

おそらく震災後、利用率が急上昇している日本語だと思われるが(苦笑)、吉川さんによると、この言葉は同じ境遇にある人間同士が使うべき言葉であって、自戒も込めて
「まずは(被災していない)自分たちががんばるできなのではないか」と語っている。

深い傷を負った人間に対して、傷を免れた人間が「がんばれ」というのはチョット違う、ということだ。

また、「ひとつになろう!」という言葉も震災後によく耳にするようになったが、ここでも吉川さんは次のように話している。

「“手をつなごう”“ひとつになろう”という言葉があふれているけど、その前に我々一人ひとりが自分を見つめて、自意識のレベルアップを図らなきゃいけないんじゃないか。…(中略)…情報や知識を疑問なく受け入れられなくなってしまった中で、それでも批判を恐れずに自分の“ものさし”を作らなきゃいけないということ」。


極端な言い方をすれば、未熟な者同士がいくら一つになったところで、大きな力にはならない、ということかもしれない。

ということで、普段から言葉を選び、そしてとにかく自分のレベルを上げなければと、そんなことを吉川さんの文章を読んで思った。


出典:2011年4月25日付 TOKYO HEADLINE 3面 『エッジ・オブ・ハート』