ビートたけしさんの逸話いくつか。

昨晩、「EXILE魂」とかいう新番組を観た。

いや、別にこれが目的だったわけではなく、たまたまテレビをつけたら、これが放送されていたのだった。

番組の内容はよく分からないけれど、たけし軍団のみなさんがゲストで出ていて、もちろんたけしさんも一緒だ。

相変わらず「天才じゃなかろうか」と思うほどのたけしさんの素晴らしいしゃべりで、大いに笑わせてもらった。

それはともかく、その中で軍団がたけし師匠のエピソードを語るコーナーがあり、私は興味深くその話を聞いていた。


【エピソードその1】ベンツ事件
つまみ枝豆さんが語ったエピソード。今から20年以上前のこと。枝豆さんが師匠の運転手をしていたある日、車を運転中突然好きな車の話になり、枝豆さんは好きな車を「ベンツ」と答えた。
するとその翌日、師匠を迎えに行ったら、師匠はクシャクシャの紙袋を持って現れ、「これ持ってけ」とその袋を枝豆さんに渡した。
中を見ると、なんと現金800万円がっ!
驚きつつも、一応そのお金をありがたく頂戴した枝豆さん。その翌日、師匠から「ベンツ買ったか?」と聞かれた(さらにその次の日も)。
枝豆さんは一週間悩み、結局そのお金を「やっぱり自分で稼いだお金で買います」と言って師匠に返したそう。
それを受けて、師匠が言った言葉。

「おまえならそうするだろうと思っていたよ。がんばれよ」。


【エピソードその2】フランス事件
このエピソードの語り手は忘れてしまったけれど、たけしさんはフランスからよく人を招いて、飛行機代はもちろん、ホテルの宿泊費から食事代、そしてお土産にはロレックスを買い与え、「またおいで」とやるらしい。
で、たけしさんにこのエピソードについて直撃すると、なんでも招いている人たちはフランスで第一号のたけしさんのファンらしく、たけしさんがフランスに行ったときにたけしさんをあしらったシャツを着て歓迎してくれたらしい。
以下、たけしさんの言葉。

「フランスに限らず、はじめて自分のことを認めてくれた人、ファンはずっと大事にしたい。そういうファンとは、今でも文通などで交流を続けている」。


以上、ビートたけしという人の内面を垣間見られたような、そんな番組だった。

NHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀」松本人志さん登場

昨晩9時のNHK、観ましたか? 表題番組が再開し、再開第一弾がダウンタウンの松本さんだった。

私は別に松本さんのファンというわけではなく、特別興味もないけれど、今なお人気を保っている背景を知りたいと思った。

番組は80分ほどの長さだったけれど、いつしか食い入るように観ていた。

印象に残った松本さんの言葉をいくつか紹介。


「今は笑いが大事にされすぎている。自分が始めた頃は芸人の地位は低かった。だから何くそ根性でここまでやってこれた」。

「笑いの裏には、悲しみがあるのかもしれない」。

「プロフェッショナルとは、素人さんとの圧倒的な違いを見せつけること」。


実際にテレビに出ている松本さんの印象はと言えば、本人には失礼だけれど、態度が横柄で、ハッキリ言ってエラそうだ。

私はまったく好きではなかったけれど、この番組を見てから彼への見方が変わった。

笑いというものに対する姿勢がとにかくひたむきで、ネタを生み出すのはそれこそ命をすり減らすほどの作業だと知った。

このように、人の裏側を知ることはプラスに働くこともある一方、マイナスに作用する場合もあるので、注意が必要である。

いつだったか、イギリスの人気コメディー番組「ミスター・ビーンMr.Bean)」の役者さん(ローワン・アトキンソンさん)のインタビュー番組を観たことがある。

この番組が大好きなので、インタビューもしっかり観てしまったのだけれど、途中からとても後悔した。

ご本人はビーンとは似ても似つかぬインテリで、理詰めに話す姿に閉口してしまった。

こんな「ビーン」は見たくなかった。知りたくなかった。

これ以降、ビーンへの興味が急速に冷めていく。

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以上のように、人の裏側を知るということは、リスクを伴うことがある。

松本さんの番組を観ながら、そんなことを思った。